精密板金についてできる限りわかりやすく書かせてもらいます。
■精密板金とは
おおむね板の厚み0.01mm~3mm程度の薄板の加工のことをいいます。
加工はせん断(板の切断)、穴加工、曲げ加工、バーリング、プレスナット圧入、溶接などを行います。
基本的には薄板の加工を行いますが、実際のオーダーには板厚6mm以上のものも多数含まれており、ユーザーの要望に応じる必要があります。
公差は比較的厳しい公差(300mm以内で+-0.1程度の公差)での加工が必要です。
また、工程によっては専用の加工機を必要とします。
<具体例>
タレットパンチプレス、レーザー加工機、NCベンダー、TIG溶接、半自動溶接
■他の板金加工との違い
板金という言葉は建築板金、自動車板金、プレス板金という単語にも含まれますが
これらのジャンルは精密板金加工とは異なる加工ジャンルです。
以下、その違いを簡単に書いています。
建築板金・・建築物の屋根、壁面、装飾品、とゆ等の製作と設置を行う分野。
自動車板金・・自動車のへこみや傷を修復する分野。
プレス板金・・プレス加工機で特定の製品専用に作られた金型を用いて成型する分野。
■精密板金の工程
①ブランク工程
ブランク工程とはシャーリングによるせん断(板の切断)を行った材料を
レーザー加工機やタレットパンチプレスを用いて板材から切り出す工程。
レーザー加工機・・レーザー光線で切断する加工機。薄板~厚板まで幅広い板材の外形加工と穴加工を行う。角パイプ、溝型鋼などの型材への穴あけも可能。
タレットパンチプレス・・様々な金型を使用してブランク加工を行う加工機。単に板材の外形をカットするのみではなく同時に穴加工やバーリングやルーバー等の特殊形状への成型も可能。
②曲げ加工
ブランク加工したものをベンダー加工機で曲げる工程。
曲げ加工はL曲げ、コの字曲げ、Z曲げ、R曲げ、ヘミング等がある。
穴加工、曲げ加工、バーリング、プレスナット圧入、溶接など
③溶接
ブランク加工を行っただけの部品や曲げ加工を行った部品、もしくは型材や機械加工部品等の接合を行う。
精密板金ではTIG溶接と半自動溶接が最も多く使用されている。
TIG溶接は薄板向き、半自動溶接は厚板向きとなっている。